低速回転機械用バリアフルード

低速回転機械用バリアフルードは、反応性化学物質の処理過程で採用されている回転式撹拌機やミキサーのデュアルシーリングシステムまたはタンデムシーリングシステムでの使用が推奨されるバリアフルードです。そのような設備では、撹拌機やミキサーのシャフトが150~300 rpm程度の速度で回転します。このような条件下において安全で信頼性の高い調合を実現するためには、プロセスフルードやバリアフルードが化学反応器へ流入したり、化学反応器から流出したりするのを最小限に抑え、防止することが極めて重要です。

Halocarbon MSLV27およびMSLV56は、環境側や処理側での漏出の可能性を最小限に抑えながら、高温工程で使用できるように高粘度化されたフッ素高機能性液体です。このバリアフルードは化学的不活性かつ本質的不燃性なので、強酸や強塩基、ルイス酸、可燃性溶剤、炭化水素、腐食性化学物質、強酸化剤、反応性ガスなどを扱う化学プロセスのシーリングに最適です。

MSLV27とMSLV56には、防錆剤を使用したタイプと使用していないタイプがあります。

主な性能特性

  • 無毒性で、安全に取り扱える
  • 他の物質が入っていないので、スラッジが発生しない
  • 不燃性(引火点や燃焼点がない)
  • 低温でも流動性が失われない
  • 熱安定性が高い
  • ほとんどの金属やプラスチック、エラストマーに適合する
  • ルイス酸との適合性に優れている
  • 伝熱特性に優れている
  • シール性と潤滑性に優れている

適合性のある物質

  • フッ化水素酸(HF)
  • 塩酸(HCl)
  • 硫酸(H2SO4
  • 硝酸(HNO3
  • リン酸(H3PO4
  • 四塩化ケイ素(SiCl4
  • 塩素(Cl2
  • 臭素(Br2
  • 酸素(O2
  • アンモニア(NH3
  • 水酸化ナトリウム(NaOH)
  • 水酸化カリウム/苛性アルカリ溶液(KOH)
  • 炭化水素溶剤
  • 天然ガス
  • プロパン
  • 石油
  • 三塩化アルミニウム(AlCl3
  • 三フッ化ホウ素(BF3
  • 三フッ化ヒ素(AsF3
  • 四塩化ケイ素(SiCl4

特性

MSLV27 MSLV56
粘度(cSt)
@ 0°C 625.00 1,715.00
@ 40°C 24.30 48.20
@ 100°C 3.06 4.72
@ 150°C 1.30 1.83
熱伝導率(W / m*K) 0.066 0.066
引火点(°C) 引火点なし 引火点なし
自然発火点(°C) 発火点なし 発火点なし
流動点(°C) -40 -34
初留点(°C) ~255 ~290
蒸気圧(torr、40°C時) 0.013 0.010
密度(25°C時) 1.92 1.94
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追加情報
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